Facebook Post: 2019-07-08T15:54:45

有料会員限定記事ですが、選挙前の判断材料として是非。

記事の結びは、「このまま「嘲笑の政治」が続くなら、民主主義は機能しない。」となっていますが、機能しないどころか、終わりですよ。それこそ、本当の悪夢が始まります。

以下、全文引用ーーーーー

「嘲笑する政治が生んだ差別、同調圧力 安倍政権の6年半」
政治部次長・松田京平 2019年7月6日21時00分

 笑いは人間関係の潤滑油だ。ただし、他人を見下す笑いとなれば話は違う。

 安倍晋三首相は2月の自民党大会以降、民主党政権を「悪夢」と言って会場の笑いを誘うあいさつを十八番(おはこ)にしてきた。5月には、自民党の二階、麻生、細田の主流各派のパーティーに顔を出し、「悪夢」発言を繰り返した。笑いや拍手は確かに起きた。それは、さげすみの笑いだった。

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衆院予算委員会で、国民民主党の山井和則氏の質問中、自席から発言する安倍晋三首相(右)と麻生太郎財務相=2019年2月18日、岩下毅撮影

 「政治の混乱と停滞に終止符を打つ」。2012年末、民主党に代わって政権に復帰したころ繰り返した首相の言葉だ。あれから6年半。今年6月、通常国会閉幕後の記者会見では「再びあの混迷の時代へと逆戻りするのか」を参院選の「最大の争点」とした。

 民主党政権の失敗と比較して野党を揶揄(やゆ)、こき下ろす。身内で固まってあざ笑う――。自分が相手より上位にあり、見下し、排除する意識がにじむ。首相も支える官邸スタッフも代わらず、国会では野党を圧倒する議席に支えられた強固な権力基盤の中で、「嘲笑する政治」が6年半、まかり通ってきたのではないか。

 笑われる野党にも責任がある。ただでさえ小口化したのに、いまだに主導権争いと離合集散を繰り返している。民主党政権の中枢にいた一部政治家に至っては、無節操に自民党の門をたたいている。

 有権者の選択は、相対的な評価によるものだ。本気で闘う気のない政党や政治家は、受け皿になりようがない。世論調査で内閣を支持する理由の最多が「他よりよさそう」で固定化する理由が、ここにある。

 長期政権下の国会は、官邸が成立させたい法案を通す場として下請け化した。霞が関では、首相答弁につじつまを合わせ、官僚が公文書改ざんに手を染めた。

 安倍政権が進める政策に異を唱える人を攻撃する風潮も社会に広がった。ネットには、沖縄の米軍施設建設への抗議活動に対する差別発言があふれる。「イージス・アショア」の配備問題では、防衛省のずさんな調査の発覚で白紙撤回を求める秋田県知事に、辞職あるいは「受け入れろ」と迫るメールや電話が多数届いているという。人をさげすむ政治が生んだ差別や同調圧力の根は深い。

 安倍首相が11月まで続投すれば、桂太郎を超えて歴代最長の名を刻む。自らを支持する人だけのために、首相という権力があるのではない。支持しない、異なる考えを包摂することなしに、残り2年余の自民党総裁任期を全うするつもりなのだろうか。

 野党も国民の不安や不満を受け止める力、毅然(きぜん)と闘う姿勢を示さない限り、展望は開けない。このまま「嘲笑の政治」が続くなら、民主主義は機能しない。(政治部次長・松田京平)

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