本来はそれが目的でフィンランドに来たわけではないけれど、すっかりはまってしまったフィンランド語学習。大学で聴講しているフィンランド語初級2の期末試験が無事終了しました。
試験の帰り、最近はあまり通る機会がないアヒル池がどんな様子か気になり、散歩を兼ねて回り道。氷は溶けているものの、きれいな乳白色。これって、氷が沈んだものでしょうか?
初級1と初級2の試験を受けて感じたことをまとめておこうと思います。
試験の構成
初級1の期末試験ではリスニングとリーディング・ライディングのみでしたが、今回はスピーキングテストが加わりました。別々の授業日を使って、リスニング、筆記試験(リーディング・ライティング)、スピーキングのテストを実施。ちゃんとヨンギノーになってます。
各試験概略
リスニングは、授業の最初の時間を使って、ストーリーを聞いたあとで内容に関する質問に答えるもの。筆記試験は、語彙や文法、作文能力や読解力を試す問題。
スピーキングは、各自都合のよい日程と時間帯を選択し、3ないし4名のグループで実施されました。4名が全員向き合って座り、真ん中にはICレコーダーをセット、そして授業で扱った短い質問(月、曜日や時間、天候やいくつかのYes/Noの質問など)を3つ、事前に予告されていた8つの質問から2つ、それぞれ袋に入った質問を一つ取り出し、隣の学生に質問、答えた学生は次の質問を取り出し、隣に質問、という手順で行われました。途中どうしようもなくなったとき、周囲の学生にヒントを出して助け合うように指示した以外、教師は介入せず、傍らで観察しながらメモを取っていました。
テスト終了後、話題に出てきた答えについて質問したりしながら、会話を楽しむようなフォローもなされて、とても楽しい雰囲気の中で行われたスピーキングテストでした。
行政の仕事
どこかの国では、利権にまみれて巨大な入試で無理矢理ヨンギノーにしようとして破綻しましたが、本当に英語の授業を変えようと思ったら、入試ではなく、授業でちゃんこういった試験をやるべきだと思います。
現状の日本の中高では、クラスサイズなどの関係で結構大変だと思いますが、不可能じゃありません。実際、私が中学校で実施していた定期考査では必ずリスニングも入っていましたし、別途スピーキングの評価もしていました。入試をいじり回して鞭打つのではなく、こういった試験が実施可能な環境を整えることに行政は尽力すべきだと思います。
試験準備
試験の方法だけでなく、試験に向けて授業でポイントを確認したり、勉強するための指針を示したり、そのあたりの試験準備のさせ方がとても巧みだなと感心しました。これは、担当教員の力量もあるでしょうが、フィンランドの授業全体に感じることでもあります。
試験に先だって、どのようなことを学習したか、それがわかっているかどうかチェックするための課題を示し、それにグループで取り組ませることで、自分がわかっていること、逆にわかっていないことを、仲間で助け合いながら確認する活動がありました。
これによって、どこを重点的に復習すればいいか自覚できて、試験準備の総復習がとてもやりやすかったです。グループで確認し合うときには、クラス全体で確認するより質問しやすいし、わかってない仲間に説明することで自分の理解も深まります。まあ、協同学習の基本のキのようなことですが、日本のような文化、環境では、そういう助け合いに学生を慣らしていく必要があるでしょう。
「フィンランドでは試験はない」わけではない
「フィンランドの学校では試験はしない、宿題もない」という誤った認識が広まっていますが、日本のような緊張感に満ちた一発勝負やらせっぱなし的な試験は確かにほとんどありませんが、達成度を確認する手立てとしての小テストや試験はかなり行われていますし、それに向けて授業外でどんな準備をすればいいかをきちんと示して学習させる体制になっていると感じました。