Fläppitaulu(フリップボード)

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教職を目指しているフィンランド人学生相手に、日本の英語教育や教員養成の現状についてレクチャーすることになっているので、会場の教室環境を偵察に。
 
あれこれ持参して行きましたが、RGB/HDMIのコネクタから、HDMI各種変換アダプタ、タブレットデバイス用のコネクターまで、一切がくくられたセットで提供されてました。おまけに、プレゼンターまで完備。

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真っ白に塗られた壁にドデカく投影されるプロジェクタ、隣の壁はホワイトボード。椅子や机も、グループが作りやすい形で、オシャレな色分け。
もちろんPCも完備していて、ネットワークにつながっているので、極端な話、クラウド上のデータを呼び出して提示すれば、何も持たずに教室へ行くことも可能です。
 

 

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その一方で、こちらでは定番の、イーゼルに掛けられた大きなメモボードというアナログ教具。
フィンランド語ではfläppitaulu(直訳はflipboard)と呼ばれていますが、イギリス出身の友人によると、これも壁につけられているのも、いずれもwhite boardと呼ぶらしいです。
フィンランドの先生たちは、ホワイトボードより、このデカメモボードを好んでPC画面の提示と併せて多用しています。
ちょっとしたメモや、図を示したりするときなどに威力を発揮しています。
用紙一杯になったら、破らず、さっと後ろにめくって次の用紙に書いていきます。
 
黒板やホワイトボードだと、消したら再生できませんが、綴じられたflipboardだと、授業の板書やメモが一連の流れとして順番に整理されて残ります。授業後に束ごと保管しておけば、さっと過去の板書内容を呼び出せる、なかなか優秀なアナログツールだと言えます。
あのときの授業の、あのタイミングで書かれたメモが、まったく同じ位置、色、筆跡で再生されるので、学習者の立場から見ても、記憶が鮮明に蘇ります。
知り合いの先生がイギリスで開催されたワークショップに参加したときの経験では、パワーポイントは嫌いだから、代わりにフリップボードを使って発表をする、と言っていた欧州の先生もいたそうです。こういうポスターを繰りながら発表をするという長年の土台があってこそ、デジタルツールの提示ソフトも活きてくるのかもしれません。
 
このフリップボードの弱点は、日本の標準的な教室にはちょっと小さすぎること。逆に言うと、これくらいのメモボードでもよく見えるくらいの教室面積と人数が理想的なのでしょう。教室環境の改善が強く望まれます。
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