今日は午前のミッションを終えて下宿に帰る前、ふと思い立ってVapriikkiという複合博物館施設に立ち寄りました。この施設については既にご紹介済み(博物館センター「ヴァプリイーッキ」)ですが、今回は隙間時間を利用して、いくつか展示中の特別展だけ観てきました。
年間69€で国内300以上の美術館・博物館に何度でも入館し放題というMuseum Cardのおかげで、特別展の一つだけちょっと観てみよう、なんていう参観の仕方が可能です。日本の博物館のように、特別展ともなると意を決して時間を作り、行列してやっと入館、じっくり立ち止まる間もなくさら〜と歩いておしまい、なんてことがないのがうれしいです。
フルブライトで派遣されてきている先日知り合った米国の学者は、到着時に財団がこのカードを支給してくれたそうです。さすが。
今日観ようと思っていた郵便の特別展は解説がフィンランド語のみで歯が立たず、写真やビデオだけさっと閲覧。もう一つの特別展The Theatre City(英訳のつづりは英国風)では、タンペレでの演劇の歩みがわかりました。
その特別展の紹介文冒頭の記述にはっとしました:
The Theatre City
Tampere grew around the Tammerkoski rapids as a city for young people. In a factory town, work was done at specified hours, which meant that people had free time as well. To spend this time, people sought communal and even educating activities.
歴史的には結構過酷な労働環境と条件だったにもかかわらず、定まった労働時間以外の時間は趣味に当てていた、それで労働者の娯楽として演劇も発展してきた、ということですが、今の日本の生活の中で、どれほどの人がこのような余裕に恵まれているだろうとふと考えたら、なんか複雑な気分になりました。
働き方改革などと、やってる感だけが醸し出される施策はあるようですが、今のような余裕のない働き方と生活が続いていると、娯楽だけでなく、学ぶことすらままならない状態が続き、国力だけでなく、人々の幸福感もどんどん下がってしまうのではないか、と案じます。
あと二つ特別展の展示がありましたが、お腹も減ったし、いっぺんに観ると疲れちゃうので、また後日。Museokortti様々です。