フィンランド人の指導教官が担当している、語学教員志望フィンランド人学生対象の授業の一環として、Pop-up Textbook Fairなるものやるというので覗いてみました。
文化教育学部棟にある、Edu’s Caféが会場。ここは普段も学生が自習やグループ活動などに自由に使えるスペースです。このイベントに合わせて、コーヒーやケーキなどを無料で提供するカフェもオープン。こういうところの計らいが、ニクい。
英語だけでなく、スウェーデン語、ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の教科書も対象となっていました。グループごとにシリーズを担当して分析し、各テーブルで見に来た学生たちと教科書の実物を見ながら、QAやディスカッションが始まりました。
フィンランド人同士ではフィンランド語で話をしていても、私がノコノコ入っていって英語で話し始めると、みなさっと英語に切り替わりました。さすが。
英語教科書の担当テーブルをいくつか回り、教科書だけでなく、フィンランドの英語教育や学生たち自身の英語学習体験について話し、逆に日本の英語教育についてもいろいろ質問を受けました。
教科書の話題からは離れますが、学生たちに、よく言われる「フィンランド人の英語力の高さは、テレビやゲームなどでフィンランド語の字幕とともに英語を耳にする機会が多いから」ということについて自分自身の経験を振り返って聞いてみました。
やはり一様に例外なく、どの学生もその効果と影響を認めていました。
英語学習が開始される3年生担当のテーブルでは、初歩的なあいさつなどで始まる教科書をみながら、自分たちが3年生で学習し始めたとき、教科書の内容について既に知っていたかどうか尋ねると、音声的にはほぼ馴染みがあることがほとんどだが、読んだり書いたりしたことはなかった、という答え。
他のテーブルでも、学校の授業や教員、教科書から学ぶことはないのかと問うと、それらも同様に重要で、受講開始前のそうした経験と、授業を受け始めてからも学習したことが授業外のそれらの視聴経験の中で遭遇して再確認される、相補的な関係になっている、という話を聞かせてくれた学生がいました。
年のせいか、こういう人がわんさか一気にしゃべっている場所では、カクテルパーティ効果がうまく発揮されなくなり、聞き取りづらくて苦労しました。
話をした多くの学生は、今後教育実習を観察するときにまたお目にかかる予定で、いい顔合わせの機会になりました。