★はじめに
公開授業ではたくさんの方に参観いただき、協議会にも多くの方が残ってくださいました。遠くは京都、石川から来てくださった方もいらっしゃいました。ありがとうございました。
以下、参加できなかった方々への報告と、自分なりのまとめも兼ねて、授業について振り返っておこうと思います。
★教材の特色
今回の授業で扱ったのは、三省堂New Crown Series 1, Lesson 7 “Wheelchair Basketball”というレッスンです。
このレッスンでは、4つのうち最後の2つのパート(旧版の「セクション」に相当)が、まとまりのある文章を読ませる教材になっていて、レッスンに先立つ1ページでも、Pre/In/Post-readingについて触れ、広い観点から読むことへの取り組み方について解説しています。
検定教科書の改定に伴い、どの会社の教科書も時数増に合わせて内容も拡充していますが、いちばん目立つのがリーディング教材の増加だと思います。
New Crownでも、一年生のこのレッスン以降、ほとんどのレッスンの後半にUse Readという(気持ち悪い命名の)リーディングピースが用意されています。
★教材について感じること
生徒たちが自分なりにまとまった分量を読むということを目指しているため、それなりに未知語の割合も高めで、背景知識もある程度提供しておいた方が良さそうなことが含まれています。
その一方で、Use Readに先立つパートでは、それらが網羅できるような作りにはなっていません。
かと言って、これまでのようにリーディングピースの部分も丁寧にオーラルイントロダクションをして、音読をして、というやり方では、まとまった内容を自分で読み進めるということができなくなりますし、最終的に暗唱を目指して指導するには難しい分量です。
しかし、ピース自体は、「コミュニカティブ」ブーム以降やたらと増えたダイアログ形式の教材よりも、内容が充実していて、文体も読むにふさわしい書き言葉なので、見識のある人がオーラルイントロダクションを用いて料理する場合には扱いやすいかもしれません。
ただ、そうするにはそれなりのスキルと経験が求められますから、標準的な教師の場合は、かえって訳読に逆戻りしてしまう危険を多分に含んでいると危惧します。
★今回のアプローチ
そこで今回の取り組みでは、Use Readに
先立つ二つのパート(最初がPaulによる弟紹介のモノローグ、次がBobとKumiによる車椅子体験のダイヤログ)はそのまま扱いつつ、その導入を拡充して、のちのリーディングの予備知識を提供する働きを持たせ、二つのパートを通じてリーディング活動の導入になるような構成にしてみました。
また、Use Readをベースにして、話題をバスケットボールに限らず、Wheelchair Sports全体に広げ、未習の文法事項や語彙がないように留意して大幅に加筆したものを教材として用意しました。
そこに向けて、読む活動に先立つ二回の授業で、読みに必要な語彙や背景知識をオーラルイントロダクションで提供することを試みました。
★授業構成
公開させていただいた授業は、あいさつ・ウォーミングアップ、復習、導入、ダイアログのリスニングと理解、音読練習、暗唱に向けた練習と発表活動、という構成になっています。
★あいさつ〜ウォーミングアップ
あいさつでは、二学期の実習生指導が終わってからは、私ではなくその日の日直がチャイムとともに私にあいさつをして開始するという流れにしました。何ということもないことですが、日直さんはそれなりに緊張しているようです。
日直とのあいさつの後、私から何か質問をすることにしています。行事に絡んだことだったり、季節の話題だったり、いろいろですが、過去のことを言えないのは苦しいので、Did you 〜?という質問と、Yes, I did. / No, I didn’t.という答え方だけさっと教えて、やり取りの中に使うようにしました。こうすれば、質問に答える限りは、動詞の過去形を知っている必要はないので、一応過去のことも話題にできるようになり、広がりが出ます。
日直以外の生徒は、私と日直とのやり取りをよく聞いて、その日のあいさつの「お題」を踏まえて、互いにあいさつと質問をし合います。
その後、数名の生徒に質問を投げかけ、パートナーのことを質問し答えてもらいます。
質問に使う内容をいろいろ工夫して、今後の指導の土台作りを行うことができて一石二鳥です。
痰切りに、開本させて前時の本文をコーラスで一回読みました。やはり、安心して声を出せることをするかしないかで、その授業の声量も左右されるので、たった一分でできることですし、こういうウォームアップは大事です。
★復習
それから、前時の宿題として課してあった、穴読みシートのB面を見ながらの音読(穴読みシートについては後述)。これは挙手ではなく、普段あまり進んで音読や発表などしない生徒に水を向け、半ば強制的に挙手させるような形に持っていって前で音読させます。こうした方が、スタンプもらえて励みになるし、スタンプもらいに来たときにひと声励ましとねぎらいの言葉をかける機会が生まれます。
自信なさそうな生徒や、不安で一杯の生徒には、生徒たちからどんどん助けてあげるように促します。そうすると、詰まったときなど、教室のあちこちから次の単語を言ってくれたり、日本語でヒントくれたり、学び合いのいい雰囲気が生まれます。
★穴読みシートFill-in-aloudについて
この穴読みシートはA4横の両面印刷になっていて、半分に折ると穴の開いた面と、答えが書いてある面になって、このシートを間にして生徒のペアが互いにチェックしながら練習できるように工夫してあります。
A面は、そのページで必ず言えるようになってほしい新語や重要な表現など最低限の単語に絞って練習しやすくしてあり、裏面の答えが出ている面には、発音で注意すべき箇所や、語連結や強弱に注意するところが記号で示してあるので、パートナーの読みをチェックするときのポイントがわかりやすくしてあります。
B面は出だしだけ与えて、ほとんど暗唱に近い状態にしてあります。B面の穴のあいた面には、ヒントとして日本語訳も添えてあります。裏面の残ったスペースには、本文に関連するような情報を読み物的に入れておいたり、文法的なポイントをまとめたコラムを入れたりしています。余裕があって早く練習が終わってしまう生徒は、ここを読んで暇を持て余すことがないようにしています。
面によって難易度に差をつけておくことによって、各自が好きな面を選んで練習できるようにすることで、能力差が大きい教室でも対応可能です。各面のタイトルバーは、A面が白地に黒文字、B面が黒字に白抜き文字にしてあるので、教室を回りざっと見渡せば、誰がどちらの面に取り組んでいるかひと目で把握できます。
話題を復習に戻すと、前時の授業では、本文のPaulによる弟Bobの紹介とパラレルになるように、私の二人の子供のスポーツについて紹介しながら導入し、本文を練習した後、私の子どもたちのことについても自分で紹介できるように練習して、何名かに発表をしてもらいました。
そのときの板書と同じ情報はハンドアウトとして渡してあるので、家でも絵を見て発表できるように練習してくるように指示してありました。まずはそのハンドアウトを用いて、ペアで1分間の練習時間を与えました。
前日に使用した写真は、あらかじめ始業前に黒板に貼っておきました。挙手を募り、三名に発表してもらいました。どの生徒も、自分の視点からきちんと説明でき、三単現のsも落とさず、canの後につけてしまう誤用もなく、よくできていました。
★オーラルイントロダクション
このレッスン全体の最終的な目標である、読む活動に向けた準備としてのオーラルイントロダクションは、保健室から借り出した車椅子やらバスケットボールやテニスの道具など、実物をたくさん使って、生徒も巻き込んだデモンストレーションでした。導入自体はまずまずうまくいったと思います。
今回のオーラルイントロダクションは、通常のピースとは違い、プロダクションを目指しての展開ではなく、背景知識の提供が主な目的なので、あまり口慣らしのリピートは行いませんでした。
まずは、通常のバスケットボールでは、ボールを持って歩いてはいけないことや、ドリブルできること、ドリブルからボールを持ち、再度ドリブルするというダブルドリブルが禁止されていること、ボールを持ってから二歩目までは許されていることを、教師自らがボールを使ってデモンストレーションしました。
次に、車椅子に座り、push, push the chairといいながら椅子を進めて見せ、いわゆる「車椅子をこぐ」という表現を動作で示しました。
それからバスケ部の生徒をひとり前に呼び、車椅子に座らせ、こがせてみてるなど英語で指示を出し、Is it easy? Is it hard?などと質問して本文の内容につなげておきます。Here is the ball.と言いながらボールを渡し、Put it on your lap. Lap. Where is your lap?などと言いながらlapの場所を手で示します。そして、Put the ball on your lap. Push your chair once. Push it again.と指示を出して実演させ、Now everyone, in wheelchair basketball, this is OK. You can put the ball on your lap and push your chair.と解説を加えます。
別の生徒を前に呼び、先ほどの指示を繰り返し、今度はPush your chair two times.と指示をして車椅子をこがせます。そして、You can push your chair with the ball on your lap two times.と言ったあと、Now push the chair once again.と言って椅子をこがせたあと、Is this OK, class?と問いかけ反応を待ちます。多くの生徒が首を横に振ったり、No.と言って反応してくれました。それから、Now, what can he do then?と質問すると、バスケを知っている生徒はすぐPass the ball.と反応していました。Yes, you can pass the ball. Or, you can dribble and then push the chair two times again. In wheelchair basketball, they don’t have double-dribble.と解説を加えます。
ボールや車椅子など実物によるデモにこだわったのは、別に公開授業だから派手な仕掛けを用意したということではなくて、実物を使わないとスッキリと理解できない事柄や、動いてみて始めて腑に落ちるようなことも含まれていたからです。
その一つに、push your chairという表現があります。日本語では、車椅子を「こぐ」という言い方が普通だと思います。車椅子を「押す」というと、後ろから介助の人が押すことを指します。英語では、いずれの場合もpushを使います。こういうことを、日本語に訳しながら、「英語では車椅子をこぐことはpushという」と、ややこしい教え方をするより、やってみせる方がすっきりしていて、感覚的にも腑に落ちやすいと思います。
余談ですが、学部での専攻語だったベトナム語では、自転車のことを xe dapと言います。xeは「車、車輪」という意味で、dapは「踏む」です。この足で力を込めてペダルを踏むという動きを伴った表現は一発で腑に落ち、記憶に焼きつきました。それ以来、自転車に乗って坂道をこぎ上がるとき、私の頭の中ではxe dapと響きます。
他にも、バスケットボールのダブルドリブルやトラベリング、車椅子ルールで二回pushしたあとどうするかなども、実物で実際に動作しながら説明する方が、遥かにわかりやすく、印象にも残りやすいです。
バスケの実演の後、テニス部の生徒を呼び、椅子に座らせ、ラケットを渡しながら、Can you return the ball to me? Don’t hit it too hard. Return it gently.と言って、ラケット面にめがけて優しくボールを投げます。これは結構生徒側にスキルが求められますので、あらかじめ生徒とテニスをして、いちばん上手な生徒を見つくろっておいて指名しました。
そのあと、In regular tennis, how many times can the ball bounce in the court?と、ボールがバウンドするしぐさをしながらたずねます。すぐにOne time.とかOnce.と返事が返ってきます。今度はちょうどワンバウンドしてラケット面にボールが行くように球出しをします。二、三度やったあと、In wheelchair tennis, the ball can bounce two times. You can return the ball after two bounces.と説明し、2バウンドしてからラケット面に行くように球出しをします。これが結構難しかったので、あらかじめ練習しておきました。
最後に、車椅子マラソンの写真を見せながら、runnerではなくracerということ、marathonの発音、車椅子でも通常のマラソンと同じ距離をpushし続けることなどを説明し、おまけとして、花岡選手が私と同じ四街道市在住であること、花岡氏とfacebook友だちになったことを紹介しました。
以上がオーラルイントロダクションの流れですが、反省点は、デモで張り切りすぎたことが災いして、後半で発表活動の時間がやや不足してしまった点です。
もう少し発表時間が取れていたら、生徒たちは教科書のダイアログに既習事項や導入で触れた情報を取り入れて、いつものようにひと工夫加えた発表(プラスワン)をするところまでたどり着けたという感じがします。本時ではそこまで欲張らずとも、本文のダイアログを暗唱に近い状態で発表できるところまでは行ったはずで、そのような生徒たちのパフォーマンスを参観者のみなさんに見ていただけなかったことは、何より一生懸命練習していた生徒たちに申し訳なく思います。プラスワンの発表は次の授業でカバーする予定です。
★リスニング
本時の教材part 2のダイヤログでは、聴いてもよく理解できない事項は最後のjoin usだけだと予想できたので、KumiとBobが体育館で車椅子の練習をしているという場面設定を英語で述べた後、理解確認のための設問を4つ日本語で提示してから、KumiとBobの対話を二度聞かせました。口頭で設問への答えを確認したところ、予想通り最後の設問だけは自信を持った回答ができなかったので、それを確認した上で、ダイアログの説明に入りました。
★説明
ここで初めて教科書を開き、口頭で導入したことを補足するための説明をします。オーラルイントロダクションで吸収できたことは敢えて触れず、口頭では説明しきれないことや、英語で説明するには無理がある事柄などを中心に説明します。この作業では無理に英語で通すことにこだわらず、必要なら日本語を使用して手際よく済ませます。
ずっと教科書を使っていたのですが、説明を聞きながらポイントを逃さず書き留めるのは大変な作業ですし、教科書に書き込むと、書き込みのヒントなしで読むこともできなくなるので、教科書本文のコピーを貼り付けたものに、吹き出しをつけて、説明する事柄を穴埋めまじりで印刷したものを配布するようにしました。内容的な説明に加えて、本文の行間には、発音注意マークや、強弱やイントネーションを示す記号を書き込んで、音読する際の注意を喚起できるようにしてあります。生徒はこれをファイルに保存したり、切り取ってノートに貼ったりして活用しています。
ついでに、オーラルイントロダクションで使った絵や板書事項も空いたスペースに貼り付けてやります。こうすれば、オーラルイントロダクションに集中できますし、生徒に宿題として板書を見ながら説明をするという活動を課すこともできるようになります。
このワークシートにいい名前が思い浮かばず悩んでいます。今のところ「説明シート」と読んでますが、何かお洒落な命名があるといいです。
★音読練習
音読を始める前に、導入から説明までの段階で、テキストの理解を固めておきます。理解していないことを声に出して読ませても意味がありません。
いつも行う音読の定番メニューとして
1) Chorus reading
2) Buzz reading
3) Chain reading
4) Individual reading
があります。
英語が苦手な子が多い教室では、Chorusの前に、One-Word reading(一語読み)や指追い音読なども取り入れる必要があるかもしれません。
Chorusリーディングでは、コーラスで繰り返しながら、注意点を説明したり、できない箇所を列ごとに言わせたり、その結果できていない生徒を個人的に繰り返させます。
Buzzリーディングでは、それまで教師のモデルに続けて読んでいたものを、モデルを聞くことなしで読めるかどうかの確認の段階です。
説明の段階でからこれまで使ってきた、補助情報が書き込んである説明シートをしまわせて、教科書の「白文」を見ながら自分で音声化してみることによって、読めない箇所を洗い出しながら音読します。この間、生徒の間をモニターしながら歩いていると、読めない語句を質問してくる生徒がいるので対応し、それを全体へフィードバックします。
次に、個別に読ませる段階になりますが、なるべく多くの生徒に読む機会を与えるため、Chain readingと名付けて、ひとり1文ずつ、2文ずつ、あるいはせりふごとになどと区切り、次々と読んでいきます。この段階では、おかしな発音があれば、即時ストップして指導を入れ、それを全体に還元します。これが意外と難しい作業です。間が抜けたストップにならぬよう、事前につまずきそうな箇所とそれに対する対応を洗い出し、かなり耳を研ぎ澄ませてモニターしていなければなりません。
音読の仕上げに、本文全体あるいはパートごとに、個人で音読させます。上のような指導をしておくと、明らかにこれまでの指導事項に引っかかるような発音は、教師からダメ出ししなくても、この時点では聞いている生徒たちが反応してくれます。それに加えて、教師も耳を澄まして聞き、必要があれば介入して指導を施す。何名か音読させると、全体として未習熟の事項が見えてくるので、それらをもう一度全体でお稽古。
このように、音読練習段階ではかなりしつこく指導をします。細かく指導することへの生徒の反応は、これまでの持って行き方もあるかもしれませんが、基本的に生徒たちは上手に発音できるようになりたいと思っているので、いい加減な発音のまま、Good!なんてうわべだけのほめ言葉を連発するより、きちんと指導してうまく言えるようにしてあげる方がいい反応をします。
この後の練習では、ペア活動を活用して楽しさと効率を上げていきますが、そのときにもこの段階までのしつこい指導が活きてきます。ピアのパフォーマンスをチェックしながら交代で穴読み練習する際にも、ダメ出しポイントがわかっているので、ともするといい加減になりがちがペア活動の練習クオリティーが維持できます。
★暗唱に向けて
次の段階からは、暗唱に向けて少しずつステップアップして練習します。
まずはRead & Look-upです。本文を1文ごと、ダイアログでは1つのせりふごとに、短時間でさっと読み、それを一時記憶に保持し、顔を上げて言うという練習です。音読段階では、文字を見ながら丁寧にきちんと発音することが主眼だったのに対し、この活動からは記憶に入れた英語を口に出すという活動になります。
Read & Look-upのバリエーションとして、Read & Look-up with Holdという活動があります。これは、語学教育研究所で公開授業をした際、あの辛口で有名な隈部直光先生が「久しぶりに語研らしい授業を見た」というお褒めの言葉とともにご提案くださった方法です。生徒が顔を上げるとき、「待て」のジェスチャーで手のひらを生徒に向け、それをさっと返したら言うというやり方です。通常の方法に比べて、記憶保持時間が長くなりますし、全員が顔を上げていることをしっかり確認できるので、ワンステップアップした活動になります。
これが終わった後、穴読みシートを配布して、口頭で穴埋めしながら音読をします(穴読みシートの作りについては、上の「復習」のセクションを参照)。
最初は全員に配らずに、ペアに一枚だけ配布して、本を閉じさせ、シートを半分に折ってA面の準備をさせます。生徒は慣れているので、特に指示を出さなくても動くようになっています。
このシートのいいところは、両面構成になっているので、シートを挟んでペアがアイコンタクトを取りやすいことです。はじめから全員に配ってしまうと、各自が自分のシートに向かってしまうので、せっかくの利点が活かされません。面倒でもひと手間かける価値はあります。
ここのところ取り組んでいるのは、Perfect Practiceと称して、順番に一人が読み、聞く方は裏面のポイントを頼りに厳しくチェック、終わったらA(perfect)B(So so)C(bad)という判定をさせ、二人ともパーフェクトになるまで助け合って練習するという方法です。音読までの段階でポイントとなる箇所はしつこく指導しているので、ペアでのチェックもあまりいい加減にはなりません。起立させ、終わったペアから着席するよう指示、教室を回り、生徒の活動をモニターし、ピアチェックでの漏れや、発音のアドバイスなどを与えて回ります。
終了時点で、まだ基礎編のA面で練習が必要と思われるときは、同じことをさせても飽きるので、Read & Look-upを組み合わせてペアで練習させます。
このあと残りの生徒にもシートを配り、そこまでの練習記録を欄に記入させます。記録欄には、家での練習も記録させ、復習時に回ってチェックします。
あとは、本文の文体(説明文か、ダイアログか)、内容や難易度に応じて、役を分担しての練習や、出だしだけが与えられているB面の練習を様子を見つつ行います。
★発表活動
暗唱にはそれなりに時間をかけた練習も必要なので、学習当日はA面でもB面でも無理なくできる方を選ばせて、挙手により前で発表させます。
生徒たちは、状況に応じて面を選択して発表したり、余裕のある生徒はシートから目線をあげて自主的にRead & Look-upを組み合わせてやる生徒もいます。おもしろいのは、Side Cと称して、何も見ずに発表するものもいたりします。
発表のあと、発音やイントネーション、強弱、感情表現などについてフィードバックし、必要と思われる点については全体での指導も行います。
今回の公開授業では時間切れになってしまいましたが、その日のテキストの穴埋めシートを用意しておき、最後の数分を使って閉本状態で言えるようになった内容を書かせる活動をします。終わった生徒から各自開本しチェックします。生徒はそのシートを振り返りつつ、家庭でもさらに穴読みシートを見ながらノートに本文を書いてみます。これで、言えるけれど綴りがあやふやという状態をなくすことができます。
宿題として、穴読みシートを使って音読をすること、書き写しをすることを指示し、授業終了です。
普段の授業ならば、自主的に挙手をして発言や活動をしたらノートにスタンプを押すことになっているので、該当生徒は教卓にノートを持ってきますが、公開授業の日はあとの予定が詰まっていたのでスタンプは後日ということにして、机の搬出を始めました。
★協議会等でいただいたコメント
いろいろな方々からご意見やコメントいただけて、自分としてもとても勉強になりました。
内容も充実していて、生徒たちも楽しみながら聞いていた導入部分ではありましたが、そのせいで後半部分の発表のための時間が押されてしまいました。時間短縮のためにはもう少し導入の内容を控えめにしても良かったのではというご意見には、こだわり派で欲張りな自分の性格が災いしたものと反省。「サプライズはひとつでいい」「美味しいものも食べ過ぎは逆効果」ということを次から気をつけて行こうと思います。
音読指導についても、これまで私はRead & Look-upを声を揃えたコーラスとして行ってきましたが、無理に揃えなくてもよしとして、自分でリズムを取れているかどうかを確認しながら言わせるようにしたらいいというアドバイスいただき、なるほどと思いました。さっそく試してみようと思います。
★おわりに
自分としては、特段見せ場のない地味な授業構成で、普通のことを普通にやっているに過ぎない授業という気がします。
が、普通のことを普通にできていないことが多い時代ですから、私の授業でも何らかの参考になるのかもしれないと、公開させていただきました。
もしこの報告をお読みになって、是非授業映像が見てみたいという方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。