英語教育界も大学も、かなりマズいところまで来てしまっている。

羽藤先生のブログ記事を読んで驚愕しました。民間試験広告塔のように愚かしく宣伝する文科大臣の脳天気な姿などどうでもいいと思えるくらい、学内でこんな恐ろしい展開があったとは!仮にも大学という学問研究の場で、責任ある人物らが、こんなあからさまな言論封殺を行ってはばからないことが驚きです。

柴山文科大臣のイヤーマフ姿に心底,腹がたつ理由

英語教育関係者以外の方々や、この件についてご存じない方のためにごく簡単にご紹介しておきます。

羽藤先生は、あまりにも拙速で大きな混乱を巻き起こすことが懸念される、大学入試への民間試験の組み込みについて、学者としてきちんと理由を説明し、懸念を表明して、他の大学の同志とともに反対署名運動(「2021年度(2020年度実施)の大学入学共通テストにおける英語民間試験の利用中止を求めます。」)の先頭に立った、京都の方の大学教授です(ご本人が所属大学当局との妥協の末に取った対応にご迷惑をかけぬよう、敢えてここでは大学名をぼかしておきます)。集まった請願提出については、地味な扱いながら報道もされていました(朝日新聞)。

始めにリンクのある羽藤先生のブログ記事では、その間に所属大学から公式にどのような圧力をかけられたかが明らかにされています。

羽藤先生のような勇気ある一歩を踏み出した人を孤立させては英語教育はもう本当に終わりです。しかも、事は単に拙速な入試改革ということに留まらず、教育全体が完全にマーケット化されてしまうかどうかの、重大な踏ん張りどころです。

帰国まであと10ヶ月弱の間に、58 の英語教育がどれほど恐ろしい状況になっているか、正直に怖くなりました。

英語教育関係者ではない方々にも、このように(官邸用語ではなく真の意味で)真摯に説明し意見表明しただけで、大学内でこんな仕打ちだったということを、是非知り合いに広めて、状況の深刻さをお知らせください。

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