伏見桃山名水と美酒巡り

神戸の学会初日午後に予定されていたワークショップが、計画停電の恐れがあるとかで朝から開催となり、神戸に前泊しなければならないことに。せっかくだから、そうだ、京都行こう!キャンペーンに乗っかり、京都で途中下車することに。

今回は、修学旅行でもあまりカバーすることのない、伏見桃山周辺で名水と美酒巡りというスタンプラリーをやっていたので、それを回ることに。7カ所に設定されたスタンプのうち5つ集めると「ステキなプレゼント」がもらえるという企画。

京都駅で大きな荷物をコインロッカーに預け、近鉄線に乗って桃山御陵前駅へ。スタート地点の御香宮神社へは徒歩数分。既に日差し強く、関西のクマゼミがシーシーと鳴いていました。ここに沸く御香水をボトルに満たし、社務所でもらったスタンプ台紙に最初のスタンプを押して、ラリースタート。

最初に目指すのは、鳥せい本店に沸くという白菊水。駅への道を戻り、駅を過ぎて商店街アーケードを少し歩いて南の方に折れる。木の塀に漆喰の白が映える建物が見えてくると、伏見の酒蔵エリア。

その入り口にある白菊水では、既に地元の人数名がペットボトルを何本も袋に入れ、行列していたほどの人気。

まあこちらは水はいいとして、スタンプがお目当てというわけで鳥せい本店の玄関に行くと、定休日。スタンプも出てない。せめてスタンプくらい出しておいてよ。

最初のポイントからずっこけてさい先の悪いスタートだが、気を取り直して酒蔵をさらに南へ進み、月桂冠大蔵記念館へ。ここには、月桂冠の源水ともなっている「さかみづ」が沸いている。入場料300円を支払うと、パンフレットとお土産の特別仕様ワンカップをくれる。これなら300円でも納得か。

いったん中庭へのドアを出ると、さかみづが沸く井戸がある。向こうには酒蔵の煙突がそびえていて、青空に映えて美しい。水を頂き、展示エリアへ。この手の博物館にありがちな、酒造りのプロセスを実物展示とともに見せてくれるエリアが終わると、月桂冠の歴代の広告や、瓶詰め出荷が始まった頃の瓶やポスターが展示されている。

とりわけ興味がわいたのが、月桂冠が鉄道売店向けに売り出したときに考案された、ふたが杯となる携帯ボトル。ひっくり返すと、ふたの金具が台座となって、列車が揺れてもこぼれにくい仕掛けになっている。復刻されたものが売られていたが、残念ながら当時のものより大きめの720ml入りで、これから神戸にぶら下げて行くには大き過ぎるので、後ほど通販で購入することに。

記念館で利き酒もじっくり堪能した後、次のポイント、すぐ近くにある長建寺に沸く閼伽水(あかすい)へ。このお寺、さすがに酒蔵街の真ん中にある寺らしく、入り口の門には酒樽が配置されていました。ここは蚊が多くてたまらなかったので、早々に退散。

観光客向けの十石舟が運行されている静かな川沿いに進んでいき、橋を渡ったところに、龍馬襲撃で有名な寺田屋がある。

でも実はこれは再建されたもので、しかも元の寺田屋とは縁もゆかりもないらしい。興ざめなのでちょっと眺めて進んでいくと、5番目のスタンプポイント、黄桜カッパカントリーの伏水にたどり着く。

既にボトルの水は飲み干していたので、伏水で給水。黄桜のマスコット、カッパのキャラクター歴代の原画展示を観て、黄桜を後に。

次のスポットへ行く途中、富英堂という古い店構えの和菓子屋で「酒まんじゅう」という看板につられて店内へ。酒まんじゅうひとつお願いしたら、6個入りの包みをばらして分けてくれました。創業は明治28年だそうで、酒まんじゅうは伏見の酒かすを練りこんだ主力商品。おいしくいただいて、再び炎天下の道を北上。

昼近く、南北の筋には日陰ができず、ずっと日向を歩く羽目に。伏見区役所を過ぎたあたりで、やっと6番目のスポット、大黒寺の金運清水に。静かなお寺の境内の前に湧き水がありました。金運にあやかるべく、冷たい水で顔を洗い流しました。金運落ちた?

同じ筋をさらに北上し、小学校を回り込むように北へ進むと、最後のスポット、キンシ正宗にある常磐井水に到着。工場内の一角に、水が湧いていました。キンシ正宗が京都市内から伏見に移ってきたとき掘り当てた名水だそうで、ラリー出発地点の御香水と同じ水脈なのだそうです。

昼もかなり過ぎてきたのでどこかで昼飯をと探しながら歩くも、なかなか京都らしい店が見つからずさまよいながら駅を目指していくと、もうすぐ駅というところで、「うまいもんや櫻」というおしゃれなお店を発見。夜は酒が飲める店のようだが、昼はランチ営業。メニューには、庶民的だが手抜きのない定食がたくさん載っていたが、日替わり定食(鶏とチーズの大葉巻き揚げ)を注文。たっぷりの野菜とポテトサラダと共に、かりっと揚がった大葉巻き揚げ、冷や奴と酢の物、茶碗蒸しまでついている。これで700円は安い。お椀は当たり前のように赤だしで、さすが京都だと感心しました。ご飯と赤だし椀はおかわり自由。お椀のお代わりいただいちゃいました。

腹を満たした後は、2番ポイントが定休日でもらえなかった埋め合わせに、スタンプラリー番外編。スタート地点の御宮を過ぎ、線路を越えてさらに緩やかな上り坂を歩いて乃木神社へ。ここは言わずと知れた乃木将軍を祀った神社。知りませんでしたが、奥様も一緒に自決されたそうで、一緒に祀られています。境内は、こま犬ではなく、軍馬一対が守っています。

乃木将軍は日露戦争で勝利を収めたことから、勝負の神様として御利益があるとか。境内で奉納できる絵馬は、「勝ちま栗」ということで、栗の形をしています。子ども二人ともスポーツ選手なので、親ばかですが二人に縁のあるクラブの必勝を祈願して勝ちま栗を奉納しておきました。

神社を後にして、ラリーゴール地点の御香宮神社へ引き返します。まずは湧き水で喉を潤そうとしましたが、あいにく水くみ地元民が並んでいたので諦め、社務所でスタンプを提示して記念品を受け取った後、駅から電車で京都駅に帰りました。

普段の日だったので、混雑もなく、ゆったりとラリーを楽しむことができました。利き酒できないので、修学旅行生にはあまり魅力はないかもしれませんが、日本酒好きの大人なら楽しめるコースでした。

カテゴリー: , 趣味, パーマリンク

コメントを残す