この絵は、フィンランドともタンペレともまったく結びついていなかったのですが、かなり昔にどこかで目にしたとき以来、強く印象に残っていました。
そんな絵と、タンペレの大聖堂で再会。というか、実物とは初対面です。ほんと、何にも知らん状態で来てるのがバレバレでお恥ずかしい限りです。
Hugo Simberg(ヒューゴ・シンベリ)の「傷ついた天使(フィンランド語でHaavoittunut enkeli)」という作品だそうです。1903年作の油絵はヘルシンキの美術館に収められているようです。
ん?じゃこの壁画は実物じゃない?前に見たのは油絵で額に入っていた記憶があるんだけど…。
で調べてみると、確かに油絵作品は(いくつか習作はあったらしいですけど)、ヘルシンキにあるAteneum Art Museum所蔵だそうです(まだ行ってませんけど)。
このフレスコ画は、Simbergがこの大聖堂の壁画を任されたとき、彼自身が壁に描いたものらしいです。大聖堂壁画の作業が1905〜6年とのことなので、油絵作品を仕上げてから数年後のもののようです。油絵よりフレスコ画の方が少し大きいそうです。
二つを見比べてみると、細部で異なるところはありますが、いちばん目を引く違いは背景に描かれた煙突。Fynlaysonによって工業地帯として栄えたタンペレに対する計らいでしょうか。