学年末さし迫り
フィンランドの学年は8月から翌年の7月までですが、実質的には5月末には授業も試験もほぼ終わってしまいます。この時期はいわゆる「普通の」授業を見学するにはあまり向いていませんが、運良くタンペレ市の国際渉外担当のMinnaさんとメールで連絡を取ることができ、日本にいるときから準備を進めて、8月からの本格的な観察に先立って、何とか授業を見学できることになりました(「市の担当者と学校訪問打合せ」参照)。
タンペレ大学に到着して諸手続を済ませたところで、所属長の許可ももらって市に対して研究許可の申請を出すようにMinnaさんから指示がありました。これにより、一部希望しない生徒を除いて、授業撮影が許可されるます。希望しない生徒は現場の教員が把握しているので、その子たちは撮影しないよう、教室内での配置を換えるなどして対応してくれることになっています。
今回の訪問は、まずはとにかくフィンランドの学校や教室、授業の様子を実際に見て確かめ、8月以降の新学年でどのような研究ができそうか、当たりを付けるというのが主な目的なので、それほど深い観察にはならないかも知れませんが、見たこと、思ったこと、考えたことをあれこれまとめてみることにします。
2つの訪問校
4月15日〜17日にかけて、タンペレの市中心部にあるJuhannuskyla(ユハンヌスキュラ)学校とTammela(タンメラ)学校を訪問してきました。フィンランドでは、多くは日本のような「小学校」「中学校」という区分はなく、1〜9年生まで一貫の基礎教育(perusopetus)学校で義務教育を行っています。今回訪問したJuhannuskylaはラテン語教育を特色としている7〜9年生対象の学校、Tammelaはドイツ語やフランス語教育に力を入れている1〜6年生対象の学校です。
基本的には子どもたちは居住学区の学校に行くことになっていますが、子どもや家庭の希望に応じて、特色を打ち出している学校を希望して通学することもできるようになっています。
続いて、参観した授業について時系列に書いていきますが、参観した順序は初日が9年生と7年生、翌日が5,4、6年生、三日目が3,4年生という順序でした。学年の上下を適当に頭の中で入れ替えながらお読みください。
いずれの先生も、私が参観にくると言うことはわかっていましたが、いつどの時間に来るかは直前まで伝わっていなかったので、いわゆる参観向けの「よそいき」授業ではなく、普段通りの授業が参観できました。
(続きは別記事として鋭意執筆中)