フィンランドへのフライトは、実はとても特別な体験でした。
これまで随分と飛行機に乗りましたが、知っている人が操縦していると、飛行機の一挙手一投足すべてに友の動きを感じる、普段のフライトとは違う、なんだかとても不思議な気分でした。
長期間にわたる往復のため、チケットはリーズナブルな価格でオープンチケットを扱っている日航を使ったのですが、SNSでフィンランド行きのことをほのめかしたとき、日航の機長をしている大学時代の親友がそれに気づいてくれて、私のフライトを担当できるように取り計らってくれたのでした。
出発前、うちの奥さんも含めて大学時代に親しくしていた仲間が集まり楽しく飲んだとき、機内アナウンスの英語について話題になり、L/Rの区別ができず、”Enjoy your fright.”という恐るべきアナウンスを聞くこともあると言って笑っていました。
出発前、勤務に向かう途中で見送りに来ていた家族とともに、制服姿がまぶしい友人機長と一緒に記念撮影。
搭乗して席に着くと、すかさず機内乗務員のリーダー格の方がご挨拶に来て、「本日はスタッフ一同、英語の発音には大変気を遣い緊張しております」と。どうやら、フライト前のブリーフィングで機長が事情を伝えていたようです。その後もチーフパーサーが丁重にご挨拶くださったりと、エコノミーの席に座っているのが申し訳なくなるくらい丁寧な接客をいただきました。
フライト終盤、最後のサービスに来てくださったチーフパーサーが、「間もなく機長からアナウンスがあると思います」と。マイク乗りのいい、とても渋い声で、安心して聞いていられる英語のアナウンスでした。もちろん、記念に録音しました。せっかくなので大公開。英語は後半の1:35あたりから。
出発前に飲んだ席でうちの奥さんが話題にしてプレッシャーをかけていた着陸も抜群のうまさで、席のテーブルにビールの缶を置いておいても何の心配もないくらいなめらかなランディングでした。
ヘルシンキから赴任地タンペレに向かう列車までは時間があったので、仕事を終えて降機してくる機長を待って再度ご挨拶。若手の副機長二人を伴って制服で歩く友の姿は見違えるようでした。
大学時代の友のおかげで、在外研究の出発がとても特別なものになり、感謝。