「人材が不足してても強行する国策」電子黒板バラマキの次は、これか。

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小学校英語の先生は… 人型ロボット!人材不足の救世主 福岡
2018年6月8日 19時21分

今年度から多くの小学校で英語の授業が3年生から必修化されましたが、各地で課題となっているのが英語を教えられるALT=外国人指導助手の不足です。こうした中、福岡県の小学校が切り札として招いた意外な先生に多くの注目が集まっています。

福岡県大牟田市の小学校で行われた英語の授業。
3年生のクラスで担任の先生と一緒に教壇に立っているのは人型の英語ロボット「NAO(なお)」です。

このロボットはネイティブ並みの英語を話すことができ、子どもたちとは双方向でやり取りできます。身ぶり手ぶりを交えたユニークな動きで授業は子どもたちの人気を集めていました。

担任の杉本朱美教諭は「子どもたちは楽しく学習していました。私も発音は不安だったので、いい機会でした」と話していました。
児童の一人は「NAOの英語は上手で、自分もうまくなりたいと思った」と話していました。

多くの小学校では、2020年度の本格実施を前に今年度、3年生から英語が必修化されました。

しかし小学校の教員は英語を専門的に学んでいないため苦手意識を持つ人が多く、各地の自治体では英語を話すことができるALT=外国人指導助手の確保に努めています。

ただ1人当たりで年間500万円ほどの人件費がかかるため、財政状況が厳しい自治体にとっては大きな負担です。
大牟田市も19の小学校に対して現在、ALTは1人だけです。

一方、この英語ロボットの価格は1体120万円で、同じ問題に悩む自治体にとり、一つの解決策として注目されています。

大牟田市の安田昌則教育長は「人材確保が難しい中、ロボットはさまざまな活用法があると思う。今後はほかの小学校にも増やしていきたい」話していました。

そもそも、ロボット持ち出してくる「窮余の策」にもあんぐりですが、最大の問題はそこではありません。

英語に限定という「縛り」がかかった「外国語活動」を強行して以来のほぼ10年、指導者育成については抜本的な対策を講じないまま、その効果や影響の検証もキチンと行わず、今度は教科化。小学校教員への負荷を考えると、影響は単に英語教育が失敗するにとどまりません。

報道で問わねばならないのは、ロボットが活用できるかどうかなんかではなく、「指導者不足がこんなに深刻な状態で教科化する狂気」のはずです。

「英語は早いうちに」とか「小学校に英語導入」などと提示されれば、問題が見えていない一般大衆は「そりゃ、いいじゃん」と流されてしまうでしょう。しかし、こういう厳しい状況を考慮した場合、それでも小学校の英語に諸手を挙げて賛同しますか?

教員の労働時間や負荷を考慮すると、他教科や小学校全体に対して懸念される影響、また失敗した英語活動や小学校英語を経て中学校に上がってくる生徒の問題など、問題山積みで突っ走っていることをきちんと知らせる視点はないのでしょうか?

「そういうことをきちんと研究するのがお前たちの仕事だろ」と言われそうですが、小生がそんなことを言うずっと以前から、さまざまな学者・研究者・教育者が懸念を表明し、しっかりとしたエビデンスに基づいた考察をしている例はいくらでもあります。むしろ、そういう反対論のほうが声も大きく、活発です(というか、でした?)。それでも「国策ですから」と突っ走ってきているわけです。

「私たちの税金を、云々」と何かと使いみちに批判的な意見を表明する人は多いですが、そろそろこういう教育の場を金儲けの対象として好き放題させている状況を直視してはどうでしょう。この10年位は、他の分野でもそうですが、こと教育界ではこういう利益誘導型の施策強行が多すぎます(小学校英語以外にも、入試への民間試験導入、アクティブラーニング、ヨンギノー、デジタル教科書、などなど)。

この報道で透けてみてくる商機が二つ。ひとつは、こういうロボットを教育市場に売り込みたくて仕方がない企業が見出す商機。もう一つは、こうして国営放送を通じて刷り込まれる「小学校英語の人材不足」を背景に、ALTや講師を売り込みたい人材派遣企業が見出す商機。いずれも、小学校英語の成功に導いてくれる一手とはなりえません。

そういえば、昔々その昔(10年位前ね)、とある講習会で、小学校英語にも関わっていたかつての教科調査官が英語教師たちを前にしたり顔で、「大丈夫、小学校の先生自身が英語できなくても、全国に電子黒板を配備します。絵をクリックすれば正しい発音が流れます」みたいな自慢をしていたっけ。国の英語教育政策の大本に関わる人物からして、このように電子黒板売り込みたい業界に担ぎ出されてかくも阿呆な施策を自慢するという滑稽が、今度はロボットで繰り返される?

この報道で透けてみてくる商機が二つ。ひとつは、こういうロボットを教育市場に売り込みたくて仕方がない企業が見出す商機。もう一つは、こうして国営放送を通じて刷り込まれる「小学校英語の人材不足」を背景に、ALTや講師を売り込みたい人材派遣企業が見出す商機。いずれも、小学校英語の成功に導いてくれる一手とはなりえません。

そういえば、昔々その昔(10年位前ね)、とある講習会で、小学校英語にも関わっていたかつての教科調査官が英語教師たちを前にしたり顔で、「大丈夫、小学校の先生自身が英語できなくても、全国に電子黒板を配備します。絵をクリックすれば正しい発音が流れます」みたいな自慢をしていたっけ。国の英語教育政策の大本に関わる人物からして、このように電子黒板売り込みたい業界に担ぎ出されてかくも阿呆な施策を自慢するという滑稽が、今度はロボットで繰り返される?

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