卒業生を送り出し、学年団で沖縄に慰安旅行に行きました。
今更ですが、そのときの最大のイベント、ホエールウォッチングについてのご報告です(クジラの動画は最後にあります)。
那覇を出て北上し、しばらく車を進めると北谷(ちゃたん)という港町に。そこで国道からそれ、港に向かうとホエールウォッチング受付のワンボックスカーが駐車場に止まっていました。綺麗とはいえないワンボックスカーの後ろで、カレンダーの裏紙かと思うような紙にマジックで手書きされた案内とお品書きで商売、怪しい雰囲気。
当日は風も強く、波もかなりうねっていたので、かなりの難航が予想されました。案の定、午前の便では半分以上の客がグロッキー状態で、クジラを観るどころではなかったという添乗員の脅しもあり、あっさり500円支払って酔い止め購入。一本はいちばん心配していたAサイ先生に。酔う前に酔ってしまえと、出航を待つ間、二人でビールをぐびぐび(薬とアルコールを同時に服用なんて、良い子は真似してはいけません)。
時間になり、船の前で救命胴衣を着用、乗船中の諸注意やゲロマナーなど説明。往路一時間、見物一時間、復路一時間の概ね三時間の旅と聞いて一同額に縦線の影が落ちる。そのあと、なぜか全員で隼号をバックに集合写真。沈没したときの捜索の手がかり?というのは冗談として、さっそく乗船。乗客は総勢30名程度か。
出航すると、のっけから荒波にもまれ、ものすごい揺れ。十分もしないうちに、別の若者グループの一人がダウン。その後また一人、そしてまた一人と、通称キタロウ袋(ゲゲゲの、ね)を手にうずくまる。同船していた黒人親子のお父さんがフラフラしながら船尾に出てダウン。心配そうに見守る奥さんに「旦那さん、海軍じゃないみたいね」ってどうでもいい冗談。
一時間以上はゆられたと思う頃、添乗員の女の子が二階デッキで周囲を見渡し始めた。お、いよいよ登場かと、船酔いと格闘する中で期待が高まる。しばらく見回していると、遠くの方で背中らしき黒いものがチラリ、塩を吹く様子も見えて一同興奮。比較的元気な人たちは船首の方へ移動。見ると、周囲には連絡を取り合っているのかどうか、何槽ものボートが集まっている。
どうやら、近くには母と子の親子クジラがいる模様。ジンベイクジラは普段はオホーツク海に生活しているが、子作りと子育てのために沖縄あたりまで南下してくるらしい。船長は周囲を伺いながら、こまめに船を移動させ、なるべくよく見えるスポットを探してくれる。またしばらく待っていると、船のすぐ近くに母鯨登場。その傍には、ぐっと小さな背中を見せて子鯨も併走(泳?)。こんなに近くに見えるなんて滅多にないと、添乗員女子も我を忘れて大興奮。
一同、船酔い道中の苦しさもふっ飛び帰途につく。周囲の人ほとんどはダウンしている中、なぜか私は全く平気。おかしい。以前釣り船にゆられたときは海の魚すべてに行き渡るほどの餌を船べりからまき続けていたのに。酔い止めが効いたのか、ビールが効いたのか、その相乗効果だったのか。揺れる船の上から、撮影したばかりのクジラの様子をFacebookにアップするほどの余裕。
帰りも同じくらいの揺れだったが、気のせいか往路よりぐっと時間が短く感じた。もしかすると、行きはクジラを探しながらあちこち走り回っていたのかも。
クジラを間近に見ることができた満足感と共に無事帰港、みな陸地のガッチリさを噛みしめながら船を降りた。