新大久保にあるビリヤード小林に撞球のお稽古にしばしば行きます。店が昼から開店なので、どこかで昼飯を食わねばならないタイミングが多くあります。
新宿で山手線に乗り換えて新大久保で下車するのが普通ですが、改札が工事中でごった返しているのと、新大久保駅周辺は吉野家、回転寿司、つけ麺くらいしかありません。
そこで新宿から新大久保まで小滝橋通りを大久保方面に歩いてみると、途中でいくつか魅力的な店があることに気づきました。そんな店を紹介しようと思います。
ひとつめは、既になくなってしまった店ですが、そば新です。この店は、世田谷中学校に勤務していた頃から、自由が丘店を愛用していたのですが、新宿にもあることを最近になって知りました。いつもの「石臼蕎麦鴨せいろ2玉」はお勧めです。残念なことに、よくわからないカレーを中心とした店に置き換わりました。
ふたつめは、そば新なきあとに目をつけた、蕎麦屋の「嵯峨谷」。何度か前を通り、石臼挽きという看板が気になっていましたが、入ってみると立ち食いではなく、意外と普通の蕎麦屋。
券売機には「鴨南蛮」しかないのですが、「せいろにもできます」と書いてあります。一応大盛りにしてみましたが、普通でも充分な盛りで、おまけに揚げ餅がひとつ付いてきます。蕎麦は十割という触れ込みですが、機械で打っているのか、かなり平たい幅のある麺。まずくはありませんが、ちょっと喉ごしが落ちます。汁は結構濃いめで、残念ながらそば新ほど鴨肉は入っていません。汁が多すぎて、そば湯を足して飲むとき、適正な濃度になるのに随分手間がかかりました。
みっつめは、ランチに炭火焼きの魚定食を食わせてくれる「こがね屋」。やはり炭火で焼くので、外はパリッと、肉はジューシーです。夜も焼き魚で飲めるようですが、飲む時間にこっちの方には来ないのが残念。チェーン店ではないようですが、御徒町にも支店があるようです。写真は、鯖のへしこ焼き(しょっつるでつけ込んだ干物)のダブル(半身ではなく)。
最後に、家庭料理の食事の店「さつき」。ここは、いちばん大久保よりで、これまで他の店で食べてから歩いていて気になっていた店です。
実は、個人的にはあじフライとカキフライ、可能ならそれにコロッケなど加えて楽しめるミックスフライ定食のようなものを想定して暖簾をくぐりました。でも、そういうメニューは発見できず、勢いで「あじフライ定食に、単品でカキフライ定食つけられますか?」って口をついて出ちゃいました。お店の人も若干躊躇していましたが、無事料理が供され、その瞬間、完全に食い過ぎだと判明しました。
牡蠣はかなり大ぶりのものをしっかり衣で包んでありました。揚げ具合も、中はとろっとジューシーな感じで、申し分ありませんでした。あじフライは、小ぶりの味を腹開きの三枚に下ろしてフライしてありました。
食べながら気づいたのですが、定食の味噌汁を豚汁にしてもらえば良かったと後悔しました。次に行ったときには、頼んでみます。
『東京ノスタルジック食堂』という本で紹介されたページのコピーが壁に貼ってありました。隣にはやはり同じ本に載った弟さんの店の記事が出ていましたが、ここはかつて大学院生時代にNHKでリサーチャーのバイトしていた頃、よく行った店です。