困った乗客

朝の特急列車内では、不快客の定番二種。窓際を開けて通路側に座って、隣の席をあわよくば空席にしようとする中年のオヤジと、通路側席に荷物を広げ、自席のテーブルに化粧品並べて忙しいネエちゃん。

車掌が検札に来たときに、忙しいところ申し訳ないが、後で意見させてもらうのは面倒だから今言わせてもらう、と、聞こえよがしに伝える。

この満員の中、隣席を占有して何かしたいのは勝手だが、そういう人からは二席分いただくのが筋だろう、と。

困った車掌さんは、「言ってはいるんですが…なかなか聞いていただけなくて…」と困り顔。まあ、車掌さんもそう言われてもどうしようもないだろう。

しばらくしてから車掌さんがわざわざ戻ってきて、「今後は車内放送を強化します」と報告しにきてくれた。

強化といっても、頻繁に嫌味な放送が増えるのも困るから、「満席に近づいてまいりましたので、これからは席に荷物を置いて占有の場合も特急券を頂戴します」とだけ宣言すれば済む話。

この手の不届者は、そういうこすっからい損得には敏感だから、たちどころに荷物をどかすはず。

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