ハーバード大学での学会のあと、Baltimore空港で日本から来る奥さんと娘と合流し、レンタカーでYork, Pennsylvaniaの友人宅へ行く予定でした。
しかし、DCの航空管制施設の故障によりNYエリアのフライトが大混乱、NewarkからBaltimoreへのフライトがキャンセルされ、Amtrackでの代替輸送となりました。家族は急遽友人に迎えに行ってもらい、私は夜の10時にようやくたどり着きました。
研究仲間の友人といろいろな情報交換をしたり、首都DCで施設見学や情報収集をしたり過ごし、私は日本での仕事があり19日には現地を離れ、奥さんも22日に帰国、いよいよ娘ひとりで9月下旬までホームステイという体制になりました。
一緒にいる間、娘を観察していたところ、言われていることはほぼわかっている様子。ただ、聞こえたことを頭の中で反芻し、少し時間がかかってから理解するため、話し相手にはわかったのかどうかすぐに反応がなく、会話は続きません。
そこでまずアドバイス第一弾は「リピート作戦」。聞こえたことを頭で反芻せずに、口に出して繰り返すように助言しました。これにより、聞こえたことが合っているのかどうか相手も確認できますし、相手にも理解しようとしているのだというプロセスが形として伝わります。
それでもまだまだ自分から会話を仕掛けるというところには至らず、両親が帰国してからは会話がめっきり減ったという報告が(笑。
アドバイス第二弾として「why why作戦」。何でもかんでも、whyを使って質問するという作戦。当然説明してもらう中にもわからないことが出てくるわけで、すかさずさらにwhy、あるいは5W1Hを駆使して質問しまくるわけです。
幸いホームステイ先の友人は語学教師でしたから、こういうことではへこたれませんし、一般ピープルよりはるかに上手に説明してくれます。
彼女とは、1995年以来、schMOOze Universityというテキストベースの仮想空間で英語学習環境を構築するという研究に取り組んできました。今では他の様々なSNSなどが流行して、schMOOzeに多くの学習者が来ることはなくなりましたが、今でもschMOOze自体は健在で、彼女らとおしゃべりをするのに活用しています。娘の状況も、ここでやりとりができるので、ホームステイ先との綿密な連絡が取れるのはとても安心です。
ひとりホームステイ初日、まだまだ言葉だけでは間が持たない娘を配慮して、サイクリングやバスケットをしに連れ出してくれたようです。途中、牧場に立ち寄ったときの、アイスクリーム屋さんでのエピソードが興味深かったです。
娘がアイスを注文しようとしたところ、売り場の兄ちゃんは”One scoop, or two scoops?”って聞いてきたらしいんですが、それをわからなかった娘はキョトンとしていたそうです。
すると兄ちゃんは、若い東洋人のお姉ちゃん相手にサービス精神を旺盛にし、実際にアイスをすくって見せて”One scoop.”、もうひとつすくって見せて”Two scoops.”って教えてくれたらしいです。
きっと娘にとってはこれがscoopという単語との初めての出会いだったと思いますが、きっと忘れることのない出会いだったでしょう。
わずかひと月ほどの滞在ですが、いろいろ体験してくれると願ってます。