好評シリーズ、北千住、朝の定食屋、続き。
早朝の定食屋、他には昨夜がまだ終わっていない酔っぱらい三人組。ニッカポッカ着て頭にタオル巻いた親方クラスと、姐さんとおぼしき女性と、後輩らしいオヤジ。
この三酔人の会話が、まるで昨夜の自分に、神様が酔っ払いの口を借りて語りかけてきているような内容。
どうやら状況は、昨夜職場の若い連中を連れて飲みにいった店で、親方が若造に腹を立て、店外に連れ出してお説教。戻ってきたときには、若造は殴られたらしく、流血。それを姐さんが諭し、後輩が間に入って会話を進めていた。デカくてゴツい親方が、姉御の前では小さくヘコヘコしている様子が可笑しい。
親方:おれはね、あの生意気なヤツの態度が我慢できなくてね、
ちょっと締めてやっただけですから。
姉御:だから暴力はダメだって言ってるだろ。
親方:いや、暴力じゃないっす、ちょっとね、これくらい
(と、ガツンと店じゅうに響くくらいテーブルを拳で殴る)
やっただけですから。
姉御:殴っちゃダメだよ。いいかい?
若い子は育ててやらなきゃダメなんだよ。
後輩:いや、あいつにムカつく先輩の気持ちは無理もないっすよ。
でも先輩、そういう締めるとか何とかっていうやり方は、
俺は高校時代に卒業しましたよ。大人の世界じゃ、
それやっちゃ、まずいっすから。
姉御:あんたの言いたいことは間違ってないし、よくわかるけど、
大事なのは、あの若造にそれがちゃんと伝わって変わってもらう
ことだろ?だったら、殴って締めるより、
もっとやり方があるだろう?
という酔っ払いの会話から、いろいろ学び考えさせられました。