祝日の趣旨にふさわしい、いいものを読みました。
『祈りの書』としての日本国憲法、ゲティスバーグ演説と日本国憲法の関連性、正統不在の時代における正当性の問題、理想の大切さと潜在的な力、手続的正統と事実的正統、などなど、大変勉強になりました。
中でも、正当性についての説明を読んで、現在会見を推し進めようとする一派が靖国参拝に拘泥する背景が腑に落ちた気がします。同じ戦没者でも、求める「正当性」に裏打ちされた象徴(国策牽引者としての犠牲者)に参拝することで、自分たちの歴史的・組織的正当性を高めようとするとともに、そういう主張を現在の世論の中で「正当」として担ぎ上げようとしているのでしょう。
結び部分での、「いまの憲法には内容的な正統性がある。手続き的な正統性でそれをひっくり返しても、権威は備わりません。手続き上はたとえ合法だとしても、です」という言葉には勇気づけられます。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12342541.html?ref=nmail_20160505mo