大好評の電車トラブルシリーズ、久々の更新。今回は、千代田線大手町駅ホーム上での、通行人の鞄とiPhoneとの接触事故。
例によって長いので、本シリーズファンの方々のみ読み進めてください。
写真のように、工事囲いによりやや狭くなっているホーム上でのこと。もちろんこれは事後に撮影したもの。写っている女性は黄色い点字ブロックギリギリに立っているので比較的邪魔ですが、それでも通行人は線路側を難なく通り過ぎていました。私が立っていたのは、手前の男性の位置。普通に歩いていれば、ぶつかるはずのない位置。
iPhoneでニュースなど読みながら電車待ちしていると、還暦はとうに過ぎていると思しきおじさんが、通り過ぎざま、肩にかけた大きなバッグで私のiPhoneをたたき落としました。振り返ったおじさんを睨みつけましたが、一瞥してそのまま歩き去ろうとするので、「何の言葉もなしですか?」と声をかけるも知らん顔。
おじさんは逃げるでもなく、少し先まで歩き、涼しい顔して電車待ち。そこでおじさんの目の前まで行き、「相手の携帯にぶつかって落としておきながら、何の言葉もなく立ち去るとは、どういうことですか?」と、静かな声で穏やかに問いかけ。
すると相手は、「あんたが邪魔なところで邪魔なものを出しているのが悪い」と、驚きの主張を開陳。一応、「邪魔だろうが、ぶつかって落としたことに対しては、ひと言あって然るべき。しかも、邪魔で通れないと思えば、ぶつかる前になぜ声をかけなかったのか?」と、これまた自分でも感心するくらい、穏やかにご説明。
しかし相手は一向に譲らず、当事者同士では埒が明かないので、おじさんを伴って改札に行き、駅員から警察を呼んでもらうことに。iPhone自体は多少の傷は付いたかもしれませんが、実害はなし。でも、白黒つけないことには気持ちが収まりません。
駅員さんに事情を説明して警察への通報をお願いすると、10分ほどで責任者と思しき駅員さん登場。通報の意思を再確認して、その場で通報。さらに10分程で、婦人警官1名を含む6名の小連帯が到着。早速私とおじさんと手分けして、それぞれ別個の事情聴取。私には婦警さんが、おじさんには最年長のベテラン警官が付く。このあたりの手際はさすが訓練されているという感じ。
おじさんは興奮気味に、警官に自分の正当性を主張するも、ひと言お詫びをしなかったことについては、警官にきっぱりと諭され、消沈。漏れ聞こえてくる警官の説諭を聞いていると、先ほどホーム上で私がおじさんに言っていたこととほとんど同じで愉快。
その間、私は一通りの状況を説明した後、警官たちと歓談。こんな大人数で来ていただいて申し訳ないが、きっと取っ組み合いでもしているのかと思われたんじゃ?と尋ねると、皇居が近いので、場所柄通報があるとそれなりの人数が動員されてしまうのだとか。
程なくして、警察仲介による和解の対面式挙行。おじさん、ふてくされながらも「携帯落としてごめんなさい」と、吐き捨てるように中学生並みの謝罪。説教されてる生徒なら「ちっとも反省してねぇだろ、ごるぁ〜!」と言われておかしくないレベル。
怒りよりも憐憫の気持ちで一杯になり、「すぐにその一言をいただけていたら、1時間も無駄にしてお互い不愉快な思いもせず、これだけの方々にご迷惑をおかけせずに済んだと思います」と、教員的な反応とまとめ。
解散直後に若手警官がそれぞれの間に入り(このあたりの手際も訓練を感じる)、私に付いた若手警官は「ご主人は、このあとどちら方面に向かわれますか?」(「ご主人」って便利な表現)と確認。関係者が解散後に鉢合わせてもめごと再燃にならないよう、配慮しているのが感じられました。
うららかな日曜の朝、関係各位にはご迷惑をおかけしました。