グエン朝王宮遺跡
(March 12, 2004)
入り口で入場料を払おうとすると、ベトナム人と外国人は料金が異なっていた。外国人向けの料金はべらぼうに高い。おまけに入り口までベトナム人と外国人は別になっている。
門をくぐると、両側が蓮池になっている大路があり、突き当たりに宮殿?が建っている。宮殿自体はそう大きなものではなく、18世紀の建築なので大して古い建物でもない。雰囲気は、同じ南方系の文化だけに、沖縄にある琉球王朝の建物に通じるものがある。
その建物を通り抜けると、がらんとした野原になっていて、その中央にぽつんと石造りの塀があった。近づいてよく見てみると、あちこちに銃弾の跡と思われる穴がある。フエはベトナム戦争後半の激戦地だったから、おそらくそのときの戦闘の痕跡なのだろう。世界遺産となった王朝遺跡と現代史上希に見る規模のベトナム戦争の銃痕が、奇妙なコントラストだった。
皇帝の読書のための建物や宮廷楽団のホールのような建物など、ぐるっと散策して入り口の門に戻り、二階に上がった。正面には宮殿の全景が、後方には巨大なフラッグタワーが見える。風通しも良く、分厚い床板が冷ややかで、とても気持ちの良い場所だった。Tienは高校生の頃、ここでよく勉強や読書をしていたのだという。そのころは世界遺産になるずっと前で、ほとんどここを訪れる人もなく、とても静かな勉強場所だったのだそうだ。
Posted by Yoshi at 05:55 PM