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夜中の発熱

(March 11, 2004)

昼間のスーパーカブ強行軍がたたったのか、ホテルに戻るとドッと疲れが出て、さっとシャワーを浴びた後すぐにベッドに入った。一応空調ついていたが、家庭用のエアコンのような機械だったのであまり効きは良くなかった。
夜中に妙に暑くなり目が覚めた。エアコンが壊れたのかと思いきや、部屋はそんなに暑いわけではない。自分が熱っぽかったのだ。折しもベトナムでは鳥インフルエンザやSARS患者が発生していたので、嫌な予感がしたが、それでも必至に眠りに戻ろうと努力した。しかし、そうすればするほど目が覚めてしまう。とともに、だんだんと熱っぽさが増してきて、大汗をかき始めた。フロントに電話して、体温計がある確認してから取りに降りた。
部屋に戻って測ってみると8度近い。何しろ走りまくったのは郊外の農村地帯、まさか鳥インフルエンザかなどと勘ぐったりして余計に熱が出たのかもしれない。「邦人初感染:ベトナム視察旅行中の大学教員」という新聞の見出しが脳裏をかすめた。鳥インフルエンザには早い段階でタミフルを処方するのが効果があるということだったので、日本を出る前にかかりつけのお医者さんからタミフルを処方してもらって持ってきていた。それを服用し、またじっとベッドに横になって眠ろうとした。しかし、脳裏を様々な憶測が渦巻き眠るどころではなかった。夜中の1時頃、再びフロントに電話を入れ、熱が高いので念のため医者を呼んでもらうよう手配した。
しばらくするとノックの音が聞こえ、ドクターが部屋にやってきた。さすがに鳥インフルエンザなどが話題となっているせいか、ドクターも部屋の外からしっかりとしたマスクを着用して用心している。かなり英語ができるらしく、聞き取りやすい英語で問診してくれた。問診のような誤解が許されない場合は、一語文やフレーズでのやりとりの方が効果的だと自覚しているのかどうか知らないが、症状を現す単語だけ並べててきぱきと問診していた。病状を説明する英語なんて学校でほとんどやらないから、一般の観光客はこんな時は相当心細いだろうなどと妙に冷静なことを考えながら質問に答えた。
診断は「気管支の炎症」。抗生物質や気管支炎の薬、消炎鎮痛剤、咳止めも処方してくれて早速服用した。おそらく、旅の疲れとバイクで移動中に吸い込んだ砂埃や排気ガスで炎症を起こして発熱したのだろう。現金なもので、SARSとかAviation Fluとか恐ろしいもんじゃないとわかり、すっかり安心して眠りについた。あのまま一人伏せって「SARSか?トリフルか?」と思い悩んでたら、本当に気力念力でトリフルに感染していたかもしれない。
代金は、夜中の往診料と薬代をすべてひっくるめてUS$80。日本や米国なんかでは考えられない安さ。本物の医者かと疑いたくなってしまう。せっかく出発前に入っておいた損保ジャパンの旅行者保険の緊急連絡先にも連絡。どうやらベトナムからかけるとシンガポールのセンターにつながるらしい。謳い文句通り、夜中なのにちゃんと日本語で対応してくれた。現金で支払った分は、領収書と処方箋があればすべて帰国後に精算してくれるらしい。旅行保険代金の元は取れた。


Posted by Yoshi at 05:53 PM

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