教育訓練省のLanさん
(March 11, 2004)
前日、ブリティッシュカウンシルのStottさんから紹介された教育訓練省の英語教育担当者に電話をして、面会の約束をしていた。こちらが不案内なのがわかっているので、わざわざ私が滞在しているホテルまで来てくれるという。教育訓練省のお役人さんもやはりさっそうとバイクで登場するのだろうと思っていたら、その通りLanさんはバイクに乗って現れた。前日に話をした人とは別の人で、ハノイ地区のELT Specialistだそうだ。ホテルのカフェで1時間以上いろいろ話を聞いた。
もっとも興味深かったのは、現職教員の授業を視察して回る制度だ。各地区の英語教育担当官は、地区内の全中学校高校を巡回して実際の授業を視察し、所定の基準に従って評価を下す。その評価が一定以上の教員だけが、より上級の学校で教鞭を執ることを許されるのだそうだ。今のところその評価が給料に直接反映されるということはないそうだが、授業視察は事前通告なしで行われることもあるという。する方もされる方もなかなかシビアな制度で、教室は教師の王国になっていることが多い日本ではこのようなことはほとんど不可能かもしれない。
もう一つ関心を持ったのは、BAVE(Business Alliance for Vietnamese English)プロジェクトだ。これは、欧米の資本が出資して、ベトナムで使用する英語の教科書を作成し供給するというプロジェクトだそうだ。現在も作業は進行中で、Lanさんはバイク飛ばしてわざわざ自宅まで戻り、あまっている教科書を一冊見本として持ってきてくださった。これもDoi Moi政策の影響だろうが、当然何らかの利益を期待して出資する欧米企業の利益と、社会主義国としての国策をどのようにうまく融合させるのか、将来の動向が楽しみなプロジェクトだ。