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爆走空港タクシー

(March 10, 2004)

さて、空港ビルを出たところに待ちかまえているタクシーの中から、感じの良さそうな青年が運転手をしているこぎれいな車を選んで乗り込む。ほとんどまっすぐな国道をハノイ市街に向かってまっしぐら。道路は一応舗装されているが、両側は田んぼや畑なので土埃がものすごい。比較的最近造られた道路なので片側二車線になっているが、外側の一車線はほとんどバイクと自転車専用状態。一見好青年の運転主君は、ハンドルを握ると別人になるタイプらしく、追い越し車線で車間をぎりぎりまで詰めて前の車を威嚇し、クラクションをならしっぱなし、パッシングをしまくって爆走していた。滑稽なのはそれでもほとんど周りの車と早さは大差ないこと。驚くべきことに、そのような極限の運転をしながら、彼は胸ポケットから携帯を出してメールを打っていた。恐るべし。ともあれ、こういう滑稽な急ぎやさんはどの国にもいるのだと感心。
いや、実は感心なんて悠長なこといっていられる状態ではなかったのが本当のところ。あまりの運転ぶりに足は突っ張りっぱなし。おまけに、市街にはいると周囲を取り囲むバイクや自転車を蹴散らすように走っていたため、こっちもいつ事故が起きるかと冷や冷やしっぱなし。しかも、バイクに乗っている人のほとんどはヘルメットなどかぶっていない。接触して転倒すればそれなりの怪我をするのではないかと冷や冷やしていた。そんな状態なので、ホテルに着いた頃にはぐったりしてしまった。後にわかったのだが、これは私がベトナム流交通マナーに慣れていなかったせいも大きい。
まず、クラクションに対する感覚が日本とまったく異なる。日本では威嚇や罵倒のために鳴らすことが多いが、ベトナムでは車もバイクも自分の存在を周囲に示すために鳴らしている。だから、鳴らされてもにらみ返すこともない。それと、蹴散らされているように見えたバイクや自転車は、実は川の流れのような調和を持っていて、その流れに車も乗っているというのが後でわかってきた。


Posted by Yoshi at 12:44 AM | コメント (0)

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